43年愛され、いまでも年間2000台以上を売っていたヤマハSRが、昨年9月で惜しまれながら生産販売終了です。
そもそもそんな人気車種がなぜ生産終了とならなければならないのかといいますと、この10月から継続生産車両にも適用されるABS義務化が最大の理由です。
SRのリヤブレーキに使われるドラム式は機械式のため、油圧式で制御するABSを組み込むには根本的な変更が必要となり、またABSではブレーキ本体だけでなく、油圧を制御するボックスのようなユニットを車体側に収める必要もあり、スリムなSRにはそのスペースもほとんどありません。
2009年型で排ガス規制のためにキャブレターからFI(フューエルインジェクション)に切り替わったときも、かなり苦労して補器類を収めているのでもうフレーム内にスペースがありません。
その排ガス規制にしても、来年の10月にはさらに新しい規制の適用が控えており、歴代最高の厳しい内容を誇ると言われる新規制では、空冷はともかくもはや半世紀近い昔に設計されたエンジンで対応するにはかなり難しいでしょう。
結局のところ、これら新規制に対応するにはエンジンから車体までフルモデルチェンジとなる大がかりな改良が必要となれば、たとえ名前がSRのままであっても、それはSRであってSRではないと……寂しい話ではあります。
バイク便ライダーにも愛されてきたSR。これから人気高騰の受け皿はどうなるのでしょうか?
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