なんでもかんでも値上げ、値上げのこのご時世。「なんだか中古のバイクも高くなった」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
バイク未来総研が発表したレポートによると、中古二輪車のオークション相場は新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた2020年から中古車バイクの価格上昇が加速しています。
購入を検討しているのにどんどん高騰してしまうと、なかなか手がでない、いつまでも手に入らない・・・という状況になってしまいます。
●コロナの影響がいまもなお残っている
実は今でも、コロナウイルス感染症の影響が大きいのです。
コロナ禍をきっかけにこの5年足らずでバイクが注目されたことが、価格高騰につながっています。
バイクは屋外で楽しむものなので感染対策は不要ですし、人との距離も保ちつつ、風を感じながら自然を楽しむことで、リフレッシュもできます。
バイクの需要が高まる一方で供給が追いついていないため、中古バイクの価格が高騰しています。
●半導体が不足している
バイクにのABSやクイックシフターといった電子制御システムには、半導体が欠かせません。
コロナウイルス感染症の影響によって工場の生産稼働率が停止・低下し、半導体不足が深刻となりました。
さらにリモートワークの普及が進み、パソコンを代表する半導体機器の需要が高まったことも半導体不足につながっています。
●二輪車排出ガス規制にともなうメーカーの販売規制が行なわれている
令和2年の二輪車排出ガス規制にともなうメーカーの販売規制によって、中古バイクが高騰している一方、人気車種の販売終了が相次いでいます。
2022年11月以降に生産するバイクは、本規制内容に適合している必要があります。販売済みのモデルを排出ガス規制に適合するよう改修すれば、引き続き販売可能です。しかし、改修には一定のコストがかかるため、コスト回収が難しいと判断されたバイクは廃盤になります。
販売終了になった車種は、中古バイク市場でしか購入できません。そのため、人気の車種は特に価格が高騰しています。
●いつになったらバイクの価格高騰は終わるのか
中古バイクの価格高騰が落ち着くのは、やはり新車供給の安定がカギです。
新車が購入できれば中古バイクの購入者も減少し、需要と供給のバランスがとれるからです。
以前に比べて半導体不足や部品不足、物流遅延なども徐々に解消傾向にあるため、新車の供給が安定するのもそう遠くないでしょう。
ただし、空冷4気筒エンジン搭載車など新車の生産が終わっているバイクは、今後も供給が増える見込みがありません。そのため、今後も相場価格が大きく下がる可能性は低いと考えられます。